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『ヘブン』著 川上未映子 14歳の少年少女の話

「ヘブン」著川上未映子
講談社

 

 

あらすじ。

いじめられている男の子の話。
そしてクラスメイトのいじめられている女の子と手紙でやり取りはじめます。

いじめられているもの同士の交流、で終わるはずもなく。。

芸術選奨文部科学大臣新人賞・紫式部文学賞 ダブル受賞

 

 

作品の中から推測すると、1990年が舞台。主人公は中学2年生の14歳。

著者は1976生まれなので、1990年は著者も14歳。

初出は「群像」2009年8月号 著者は33歳。

登場する絵はシャガールの「誕生日」と言われているようです。

 

 

主人公の同じクラスでいじめられている少女コジマ。

彼女は、いじめられることに対して、意味あること。とする。

主人公をいじめているグループの中心人物。すべては無意味とする少年百瀬

 

どちらでもない主人公。

でも百瀬よりかなと思います。

でも自分の世界、居場所はコジマ。

 

どうきりとっても人と話できる小説でした。

ただしんどい。よるのばけものはしんどくなかったのに。

 

コジマは、暴力受けている方が、暴力ふるう側よりも上に居るという感じになっている。(ルサンチマン化?)
強者に依存ししているし、自分がいじめられている理由と思っていることをスティグマ化してるようにみえる。

百瀬は、すべて意味はないとし、それが面白くてしかたないと言ってのける。

いじめてるのも理由はない。偶然。タイミング。事実。

そんな百瀬は病院に通っている。そこも不穏。

 

 

芥川賞受賞作「乳と卵」はずいぶん前に読んで、この作者についてはそれ以降読んでいなかった。一気に読めました。

 


印象的な台詞

「地獄があるとしたら、ここだし、
天国があるとしたらそれもここだよ。
ここがすべてだ。

そんなことにはなんの意味もない。
そして僕はそれが楽しくて仕方がない」

 


良かったとこ。

「わたしはあなたの話しかきかないから」


「目なんて、ただの目だよ」


「忘れたことに気づかないくらい、完璧に忘れると思うよ」


「でもまあ、わたしはこれ、忘れてないけどね」

 

 

 

 

じゃまた。

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