ボンのタネ

ご飯とか、家とか、健康とか、育児とか

【スポンサーリンク】

『教団X』著中村文則 なぜか救いを得る人もいる小説

f:id:ahobon:20201209120336j:plain

 

『教団X』

著 中村文則

集英社文庫

 

 

 

あらすじ

恋人を探す主人公は、恋人を追いかけてある宗教団体に入る。そこで、不思議な教祖に出会う。その教団に出入りするうちに、もう一つの過激な宗教団体の存在が明らかになり、その教団に深入りし圧倒的な存在のもう一人の教祖と出会う。やがて、その教団は暴走をはじめる、、、
魂、欲望、存在、宗教、政治などなど盛り込まれた意欲作。

 

________________

なのに読後、お腹にもたれない。

不思議な小説です。

 

 

感想

 

読後、すこしたってから、ブログ書こうとしたときに

 

最初のページに

ヴァルナよ。私の主な罪はなんだったのですか?

              『リグ・ヴェータ』

 

の一文が目に入って、

 

この話の、登場人物の罪はなんだったろうか。

 

なにかだれか悪かった気がするけど、なにが、だれが悪かったっけ?

 

途方にくれた。

 

 

CMがありましたので、それを見るとかなりのエンタメ感があおられています。

 


中村文則『教団X』(集英社文庫)スペシャルムービー

 

 

性的な描写は多いので、苦手な人は苦手だと思います。

 

教祖の対話会での話、

 

人間を構成している原子は消滅しない、再び誰かの体の構成物になりえる。

 

とか、

 

体を構成する原子は、1年で入れ替わっている。

 

とか、

 

原子は繰り返し使われている、人間は常に流れている一部である。

 

個という概念などない。われわれは一つ、というのは物質レベルでみれば実際にそうである。

 

とか。

 

スピリチュアルであるけど、

 

輪廻、傷つけられても再生できる、一人ではない物質レベルで、

 

とか救われる人もいるのではないでしょうか。

 

この原子は繰り返し使われている、

 

大きい流れの一部というので思い出したのが、

 

 

好きな話で、ネイティブアメリカンのある部族の老賢人によると、

 

偉大な神は「流れて」いて、木や人や動物は、その神が休止している状態である

 

といいます。

 

自分も大きい流れの一部で、

 

今だけ自分の形でとどまってるだけで、

 

時間がたてばほどけてまたどこかに流れていくのか。

 

という気持ちになったことを思い出しました。

 

知り合いはこの本を読んで似たような感想を抱いたそうです。

 

意外とそういうところで人気のある本なのかもしれません。

 

賛否両論で真っ二つなのもおもしろいですね。

 

分厚いので、全く読めないか、一気に読めるかのどちらかだと思います。

 

 

僕は中村文則の小説を読むと、

 

文章が文章のまましか読めなくなります。

 

当たり前のことみたいですけど、

 

文章の裏側が見えなくなります。

 

他の著者の本だと、

 

文章や、単語にほかの意味が付随してきて、

 

一つの文章からたくさんのイメージ(色、絵、音、味などなど)が

 

湧いてくることが多いですが、

 

中村文則の本だとそれがなかなか起きないです。

 

人物に対しても、髪型とか思い浮かばない。

 

悪文とか言われてもいるそうですが、

 

自分としても不思議な読書体験が起こるので、それを絵にしてみました。

 

 

じゃまた。

 

 

 

【スポンサーリンク】