最近、同じ言葉で検索してないですか?
同じサイトだけ見てないですか?
出かけるまで、
通勤、通学のあいだ、
休憩時間、
寝る前、
同じタイミングで同じところばかり見てないですか?
僕は同じでした。
WEBが狭いなと思ってた時に、偶然に読んだ本。
あなたの世界が狭いのは移動してないから。とありました。
紹介
「弱いつながり 検索ワードを探す旅」著 東浩紀
著者は作家、思想家、株式会社ゲンロン代表取締役の東浩紀。
三島由紀夫賞作家でもあります。
ここでも紹介しました。
この著者がはじめて、
「哲学とか批評とかに基本的に興味がない読者を想定した本」です。
僕たちはネットから離れられない。
おすすめに出てくるのは自分の知ってる世界のこと。
僕たちはネットから離れられない。とありました。
ネットというのは、強い絆をより強くするメディアと著者は言います。
リアルは弱い絆の世界であるとも。
ネットでは、イレギュラーが起きない。
ネットには情報が溢れているということになっているけど、ぜんぜんそんなことはないんです。
自分が見たいと思っていものしかみれない。
最近の、「おすすめ」すごいですよね。
youtubeでも、なんで?ってのがあがってきて、
見たらおもしろいっ!てのが。
完全に趣味を把握されている。。。
コメントにもよく見ます。
「youtubeがいい仕事した!」
そうやって、自分好みのおすすめがガンガンでてきます。
自分の好きな物だらけで、
そのピッタリぶりに、
息苦しかったです。
世界を帰る方法
この本にはこう書いてありました。
世界は、検索ワードと同じ数だけ存在する
そして、
この統制から逸脱する方法として、
場所を変える
これを薦めていました。
場所を変えると、インプットが変わる。
インプットが変わると、アウトプットが変わる。
検索ワードが変わる。
世界が変わる。
移動することで、
考えること、思いつくこと、欲望することそのものが変わる可能性に賭ける
そのために旅をせよと。
観光客になろう
ただ、著者は「旅人になれ!」とはいいません。
「観光客」になろうと言います。
観光は表層を撫でるだけだが、
「行く」というのは、それだけで決定的な経験をあたえてくれる。
そして、観光客は無責任である。
その無責任さゆえに、将来を開いていく可能性がある。
ちゃんと考えろ、受けとめろ、コミットせよ!だと考えなくなる。
たしかに。
弱い絆を使おう。
ネットは強い絆で計画性の世界。
今の自分、現状をどんどん強化していく。
ビジネス書的世界観。
リアルの弱い絆は偶然性の世界。
ノイズをいれて人生を充実させよう。という本です。
このビジネス書のくだりも面白かったです。
ビジネス書に書いてあることは、
統計からわかることは、もし何回も何回も人生を生きることができるとしたら、確率的にその選択がもっとも利益が大きいよ、という話
このように選択した人生でも、偶然で吹っ飛ぶ。*1
これは、ビジネス書的世界観でおくる人生は、
アナタでなくてもいい人生の送り方ということか。
弱い絆について、著者には娘がいますが、
偶然やってきたたったひとりの「この娘」を愛すること。その「弱さ」こそが強い絆よりも強いものなのだ
そして、ネットで情報収集する批評家をやめて、旅に出る様になった、と。
この「たよりない偶然」「弱さ」が、
環境からの入力を出力するだけではない
かけがえのない自分に変えていくんですね。
自分にも子供がいるので、不意うたれました。
偶然に身を曝(さら)す
疫病の流行により、観光も難しいです。
そんな今だから、
今、移動できてないから世界が狭くなってないか?
と自分で確認しておこうと思います。
たしかに、この疫病で計画なんて吹っ飛んだ人もいるでしょう。
ぼくもそうです。
この本の
「統計的な最適とか考えないで偶然に身を曝せ」というメッセージ
をよく考えようと思います。
ほかにもいろいろおもしろい部分あります。
自分探しする必要はない。など。
読みやすいのでおすすめです。
*1:これはキャリアプランは無いという話と通じますね。講演家 鴨頭喜人のyoutubeにありました。成功を引き寄せるスゴ腕ビジネスパーソンになる【人生設計の方法】